2019/7/12に公開(日本)されたトイ・ストーリー4の感想を書きます。

以下、ネタバレ注意です。

感想

まず私のトイ・ストーリーの閲覧歴ですが、1, 2 は子供の頃何度か繰り返し見ていました。内容も割とクリアに覚えていて、「トイ・ストーリー」というだけあって、全体のストーリーが起承転結のような構成でまとまっていて納得感がありました。また細かい描写もとても面白くて、何度見ても飽きないんですよね。おもちゃ目線で基本ローアングルなので、映像自体もスピード感があって迫力があります。キャラもみな個性的で、繰り返し見る中で、それぞれの立場で見てみる楽しみもありました。(子供ながら無意識にそんなことをしていました)

3 は一回だけ見て、あまり内容を覚えていないという状態ですが、「良かった」という感想の記憶だけは残っています。

さて、今回4のキャッチコピーが「あなたはまだ─本当の『トイ・ストーリー』を知らない」ということでしたので、ついにおもちゃたちの核心に迫るのだと期待して映画館に向かいました。

結論から言うと個人の感想としての不完全燃焼感が否めない感じでした。見ようによっては楽しめるのかもしれませんし、もしかしたら前作を見ていない視聴者だったら満足する出来なのかな?と思ってもおかしくない作品にはなっているのですが、前作以前の満足感から期待しすぎたのか・先入観・前提知識があってなのか、自分自身が大人になり考え方が変わってなのか、最後エンドロールが流れたときは心の中で思わず残念感のため息をつきそうになりました。

まず、おなじみのキャラについては、印象が前作以前と違い、新キャラについては立ち位置がハッキリせず、あれ?と思う場面が何度かありました。

まずボー・ピープという羊飼い人形がいて、4では重要なキャラとなっています。1,2では脇役だったためあまりフィーチャーされず、そもそもの印象がないと言うのもありますが、ツンツンしているところはあるものの、大人のおしとやかな女性という印象がありました。3ではそもそも覚えていなかったのですが、(他レビューなどをみるに)登場しなかったようですね。4で、なぜ3でいなかったのか明かされます。要するに別の人に人形が引き取られ、その後すぐに捨てられたような感じでした。そして、誰からも飼われることなく、厳しい自然の中でおもちゃの羊たちと生きていく中で逞しくなったように表現されている印象でした。しかし、1,2のころとキャラのギャップがありすぎるように感じました。いくら厳しい自然の中で生き抜いてきたにせよ、元々の性格からはまったく想像もつかないほど逞しくなりすぎていて、1,2「おしとやかな女性」 → 3「感情的で幼い女性」とまったく印象が異なりました。いくら環境が変わり、それに伴い性格が変わったにせよ、4のボーは、前作のボーからの延長線上にはないように思えたのです。

次にバズ・ライトイヤー。自身に内蔵されたボタンを押して、内なる声に従うというシーンが度々あるのですが、こんなに間抜けなキャラでしたっけ。1では最初自分自身が本物のスペースレンジャーと勘違いしているものの次第におもちゃである現状を認識し、後半は常に冷静で聡明な印象がありました。2でもそんな感じだったと記憶してます。3は覚えていないのですが、間抜けっぽい一面もある設定でしたっけ。そうだとしたら、3を見た時点でその違和感に気づけなかっただけかもしれません。ここは私の記憶が曖昧なので反論がたくさんあるかもしれません。

新キャラについても、なんだか敵・味方がハッキリせず、小さい子供には難しいのではないかなと思いました。

アンティークショップで出会うギャビー・ギャビーという女の子人形とそれを取り巻く執事(?)達。ストーリーの冒頭〜中盤までは敵のような感じで描かれていると思います。ホラーっぽい演出もあって、チャイルドプレイを見ているかのような印象もありました。ですが、最後の最後には、ウッディ一味と共に行動するようになり、1,2作とは違い、本作では絶対的な悪は存在しませんでした。アンパンマンのように「主人公(&味方)が敵をやっつけてハッピーエンド」というわかりやすい構図ではないため、子供には難しい部分があると思うし、大人が見てもすっきりとしないのは絶対悪の存在がいないからだと思いました。射的場で出会う2体の人形(ダッキー&バニー)も設定としては最初から味方なのかもしれませんが、非常に暴力的な設定で、見ていていい印象を受けませんでした。

他の印象としては、ボニーが生み出したフォーキーがゴミ箱に入る(入ろうとする)のをウッディが懸命に阻止するシーンがくどすぎて途中イライラしてしまいました。ウッディがフォーキーをボニーに合わせるのに異常に執着しているのも、なんだか他のおもちゃ達の都合を考えていない印象がありイライラしました。作中でボーに「迷子なのはあなたなのでは」と言い放たれるシーンがありましたが、まさに、「その通り!」と思いました。でも思い返してみるとウッディ(というかトイストーリーに登場するキャラ)のこの種のしつこさは、前作以前にもあったような気もします。このしつこさにイライラしてしまうようになったのは私自身に変化があったのかもしれません。

最後人間の元を離れボーと一緒に自然界で生きる道を選択したのは映画に意外性をつけるためのこじつけのように捉えました。感覚的にはターザンのラストに似ています。しかし、ここは個人的に4の好きな部分でもあります。他の人の感想を聞くと、アンディがボニーにウッディをどんな気持ちで手渡したか、その気持ちを考えるとボニーのウッディへの愛情の薄れ方は納得行かないし、最後の終わりも辛いという意見が多いように思います。しかし永遠の幸せは存在しない、世の中は諸行無常であり変化を受け入れる必要がある。新しい環境に飛び込んでいくべきだという自分への教訓でもありました。

またどうでもいい感想ですが、ゴミから生み出されたフォーキーがおもちゃとして感情を持ち始めた箇所は個人的にはすごく気になりました。私が脚本家なら「あなたはまだ─本当の『トイ・ストーリー』を知らない」というキャッチコピーへのアンサーとして、この箇所を深掘りし、「物質とおもちゃの境界線はどこか」、「ウッディの物質からの成り立ち」といった哲学的な問いを投げかける構成としたいのですが、そんなのは今までのトイ・ストーリーの流れからとても不自然ですし、想定視聴者(ターゲット)も相当ズレたものになるでしょう。きっと売れないです。今までの流れを踏襲し、無難な作りになっていたのはこれまでのトイ・ストーリの成功を利用して、興行収入を最大化するための策略だったことが伺えます。ターゲット層は主に子供だと思いますが、それにしては繰り返しになりますが、もっとキャラ設定、敵味方の構造をシンプルにしても良かったと思います。